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幼児教室 子育て支援


by child-popup

ゆとり教育と子育て

今年4月から新教育要領が始まります。
教育要領とは文部科学省が制定するもので、学校や幼稚園における教育の目安となります。(学習内容や学習量もこれに含まれます)

戦前までの日本人は創意工夫し、生み出す力のある人 つまり社会の中で生き抜く力のある人が多くいました。
戦後の復興に伴い、高度経済成長によって物と情報が豊かになり、身の回りには便利な物があふれて生み出す必要がなくなりました。
同時に受け身タイプの人が増え、工夫して自分の力で解決するということが少なくなってきたのです。
その世代が今 親となっています。

遅すぎたのでは…という懸念もありますが、文科省は独創性や自主性を重視したゆとり教育を始めました。
しかし教える側の教師達でさえ すでに受け身タイプで、枠がないとなかなか進めない人が多くなっています。
ゆとり教育とはただ つめこみ主義の脱却だけではありません。
そこには子どもの力を引き出すべくいろいろな配慮が必要なのですが、ひとつ間違えると放任とされ、学力低下につながります。
結局本来の目標を達成せぬまま失敗とされ、来年度の改訂となったのです。

以前のブログ“三つ子の魂 百まで”(子育て)にも少し書きましたが、小さい時から物事を教え込むことをすると知識をたくさん持った子どもになります。
知識が豊かなことはいいことですが、それを応用して生かすという部分が欠けると、成長した時何の意味もなしません。
砂場の山にどうすればトンネルを掘ることが出来るのかが、自分で発見出来る子は将来学習にも生かせるということです。

子どもは遊びの天才 と言いますが、最近の子ども達は遊ぶ環境や道具がないと遊べない子が増えています。
本当は何もなくても、生み出す力があれば遊べるはずです。
しかし生み出す力が必要のない世界に育つと“遊ばせないと遊べない”という子どもになっています。
それなら何も教えずほったらかしにすればいいのか と言われますが、違います。
より良く育つ為には援助が必要です。

先程の砂山にトンネルを掘る話を例にとると「ここにトンネル掘ったらオモシロイね」と楽しくなるように糸口を出してあげます。そこから大人は口出し無用です。(教えないということです)
砂がやわらかくて崩れてしまったら
「どうして崩れたのかなぁ?」「あ~あ、砂がやわらかいからアカンのかなぁ」
と原因を追求させたり対処する方法を考えさせます。
海で砂山を作った経験のある子は水を混ぜたり、ひたすらスコップでたたいて押し固める子がいたり、ついには最初からトンネルの形をしたU字型のオモチャの上に砂山を作るという荒技もありました。(笑)
いずれにしても「出来た!!」という達成感は苦労すればするほど大きいものです。
これが最初から教えてしまうとオモシロクもなんともありません。
ほったらかしでは 誰でもそうですが、楽な方にしか行きません。

子育ては家庭教育が基本です。
「どうしてかな?」「どうすればいいのかな?」に始まり、子どもの頑張りを見守って「すごいね」と認めてあげるところまで一緒に歩むことの出来る方は素晴らしいと思います。

小さい時だからこそ“考える・工夫する・やってみる・達成した喜びをあじわう”という経験は貴重だと思います。
by child-popup | 2011-02-13 09:12 | 子育て | Comments(0)