幼児教室 子育て支援


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思い出:劇あそび

幼稚園ではどこも 生活発表会の時期ではないでしょうか。
毎年 生活発表会といえば劇あそびをしてきましたが、思い出深いクラスがあります。

年長組の生活発表会で劇あそび“さるかに合戦”をすることになりました。
もともとこの話は、復讐のようであまり好きな話ではなかったのですが、友達を思いやってみんなが協力するという所が気に入ったのか子ども達はこの話を選びました。
そのクラスは何でも自分達で決めて進めていこうという雰囲気だったので、いろいろ子どもに任せることにしました。

まずキャスティング。先生が場面設定を決めたりセリフを決めると、どうしても配役や人数に制限が出ますが、子ども達が決めたことは、ひとつの役を決めて好きな配役につく。セリフはみんなで考えてみんなで言う、ということでした。
さて ここで問題が発生しました。
悪役のサルはみんな嫌がって誰もなり手がいません。結局、一人の男の子が名乗りをあげてサル役につきました。
彼は友達に対していつも命令口調で話すので、クラスの中でもちょっと浮いた存在でした。
人に合わせることが苦手だったので、サル役が一人ということは苦ではなかったようです。
しかしみんなが練習していると、演出家気取りでダメ出しをするので、他の子はいつも嫌な気分になっていました。

ある日そんな不満が爆発し、「なんで いつも文句ばっかり言うん!」「みんな一生懸命やっているのに、あれもこれもダメって言うなんてヒドイ!」とみんなで彼を攻撃し始めました。
彼にとっては良かれと思って言ったのでしょうが、言い方ひとつで友達を傷つけてしまっていたのです。
彼はしょげてしまい、話の内容からもサルに対する態度が厳しくなっていきました。

そこでもう一度劇あそびをどう作っていくのか、話し合いを持つことにしました。
悪役のサルは誰もやりたがらなかったのに、彼が名乗りを上げたから劇あそびが出来るようになったこと。
彼の言い方に問題はあるけれど、みんなのことを見てどうすれば良くなるのか教えてくれているということ。
そしてこの劇あそびは悪役に仕返しをするというのではなく、人の痛みを思い、友達と協力する大切さを教えるというものではなかったのか、ということを話しました。

この劇あそびの“さるかに合戦”は昔話と少しエンディングが違います。
ウスがサルを押し潰し、カニのお母さんの仕返しをして終わるのではなく、カニのお母さんがどれ程痛い思いをして子ガニがどれ程悲しんだのかをサルに考えさせます。
サルが誤ちを悔い改め、一生懸命謝るとみんなはサルを許し、友達になったというエンディングでした。
まさしく同じことがクラスで起きていたのです。

その話し合い以後、変化がありました。
彼は自分の考えたことを表現する時も相手の気持ちを考えるようになり、クラスの子ども達は一人で悪役をやってくれている彼に感謝するようになりました。

劇あそび本番の日、意地悪なサルの役を一生懸命している彼の姿は輝き、発表会が終わって保育室に戻る時 クラスの友達と嬉しそうにハイ・タッチをしていました。
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by child-popup | 2011-02-20 11:12 | 思い出のアルバム | Comments(0)